100年前の山の世界へようこそ!

「木こり」のことを「杣」(そま)と呼びますが、彼らが山で寝泊まりしていた小屋が「杣小屋」です。現代で言うなら作業員宿舎とか、休憩所とかでしょうか。

A氏
アサカラさん、杣小屋について調べたいという方から連絡がありました!
アサカラ
狭い業界だから、御本人にバレそうだなぁ・・・それにしても変わったことにご興味を持たれる人もいるんだなぁ、と
A氏
お前が言うな
「官材画譜」(国立国会図書館所蔵本)より杣小屋之図
アサカラ
こちらの絵に描かれているのは江戸時代末期の飛騨の杣小屋ということです。内部は、真ん中に火を焚く場所(炉)があり、そこで暖をとって、その対面にムシロが敷かれた個人のスペースがあるという感じです。
A氏
カエル持ってる人がいる・・・食べるのかな
アサカラ
往時を知る関係者の記録によれば明治・大正・昭和時代もこんな感じ。
アサカラ
木曽の昭和初期の写真から杣小屋の内部です。真ん中で火を焚く訳ですね。寒い冬には一晩中火を焚いたので、朝にはせんべい布団の上が火ぼこりで真っ白だったとか。
A氏
火を焚いているから、布団から素足を出しているのかなぁ?
アサカラ
ちょっと構造は違うみたいだけど、これも昭和初期の写真。でもこれはかなり小綺麗なほうだと思います。
A氏
ランプだと薄暗かったんでしょうねぇ
アサカラ
こちらは木曽での写真です。明治30年代から大正時代くらいのものと考えられています。仕事が終わればすぐに撤去できる簡単な構造のものが多かったようですが、数年間固定的に使うものはもう少ししっかりしていたとか。
A氏
木曽や周辺で見られる、昔ながらの石置き屋根ですね~
A氏
こちらは少し大きめですねぇ
アサカラ
多分、これはしっかりしているほうの建物。現場事務所的な役割だったのでしょうか。
アサカラ
こちらは大正14年に小坂御料林出張所が出したとされる「小坂御料林造材及運材図」の中のスケッチです。角田武夫という方が描いたとされています。往時の写真とよく似ているので、雰囲気は出てるのではないでしょうか。(大日本山林会・林業文献センター所蔵)
A氏
小坂御料林は現在の岐阜県下呂市ですね
A氏
左側のはお風呂でしょうか?
昔の木のお風呂(長野県)
アサカラ
水をひくにもホース等はないので、立木でまっすぐ細いものを伐って樋(とい)を作って沢から水をひき、炊事などを行いました
A氏
これですかね
アサカラ
帳簿を確認する杣頭(庄屋)と帝室林野のお役人、という感じでしょうか。
A氏
100年前の山の世界かぁ・・・
アサカラ
研究している方によれば、仮設的なものでもあり、図面が残されるわけでもなく、記録が蓄積されなかった建築物だけど、場所の選び方や建て方などに特色がちゃんとあるそうです。

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